2015年07月

猫ちゃんに縫い針はご用心…

Tさんの6歳のアメリカンショートヘアーのあずさちゃんが昨日から急に食欲と元気がなくなり、お水ものまないので心配になり来院されました。

まず、下唇がよだれでわずかに汚れていました。口を開けるのを嫌がり、ちらっと見た限りでは舌の左下がガマ腫のように腫脹してました。

また左の下顎部も腫脹していたので、あたかも下顎の唾液腺嚢腫を思わせました。

※唾液腺嚢腫:唾液腺の導管が破れて唾液が漏出し、舌の下に貯留するとガマガエルのように見え、頸部が腫脹するケースもあります。

 

しかし、猫の唾液腺嚢腫は極稀であること。唾液に膿が混ざっていること。頸部の腫脹が通常よりもやや上部であることから疑問に思い、全身麻酔で口をしっかり開けて喉の奥の方まで調べると、青いものがチラッと見えました。

ピンセットで少しつまみ出してみるとそれは縫い糸でした。

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猫が縫い針付きの糸を飲み込むことがよくあるので、糸を無理に引っ張ると針が咽頭や食道壁を傷つけることも考えられるので、レントゲンを撮ってみました。

するとやはり縫い針が舌の下方に埋没していました。

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針の摘出はいとも簡単でした。

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その日のうちにゴハンを食べるようになって機嫌良さそうにすりすりしてきて

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「ありがとう」と言っているようでした。