- 2008-08-18 (月) 20:19
- 院長からのアドバイス | トピックス
X線は、なんと言っても体の中を透かせて見ることができるのですから、まるでスーパーマンのようです。例えば、骨折や脱臼を始めとし、心臓や呼吸器の形、肝臓や腎臓の大きさ、結石など様々な形態的変化を見つけることができます。
それでは、X線フィルム上のあの白や黒の影はどのようなことを意味するかと申しますと、X線不透過性(X線を透過しにくい性質)の高いものは白く写り、反対に不透過性の低いものは黒く写ります。そしてX線不透過性は物質の原子番号が多く、密度が高く、厚さが厚いほど高くなります。例えば骨の主成分であるカルシウムの原子番号は20でフィルム上では白く写るのに対して、肺に多く含まれる酸素の原子番号は8なので黒く写ります。
上の写真はオクラホマ大学に外科学の勉強に行った折に、休日を利用して100Km程離れたオクラホマ動物園Dr.マークベリーを訪ねたときに見せてもらったものです。当地に生息するブラックラットスネークという体長1m弱のヘビが、カモ類の水鳥の卵を呑み込んでいるところのX線写真で、大変珍しいと思います。この水鳥の卵はよくヘビに呑まれてしまったり、また親鳥が途中で抱卵を投げ出してしまうことも多いため、動物園では陶器製の擬卵にすり替え、本物は孵卵器で温め、孵化直後に巣に返して再び親鳥に抱卵させるのです。どうやらヘビは本物との識別が出来ず、擬卵まで呑み込んでしまっています。
写真の上部が頭側ですが、4個の卵のうち一番上と一番下はX線不透過性が高く中が空でない陶器製の擬卵で、全体が真白く写っています。上から2番目は中空の陶器製の擬卵で、中の空気はX線不透過性が低いので黒く写っています。三番目が本物の卵で、カルシウムが主成分の卵殻が白く写り。卵黄と卵白の液体成分は空気より不透過性が高く、やや白っぽく写っています。
このヘビ君、実はもう少し前にもう1個本物の卵を呑んでおり、中身は既に吸収され、潰れた殻だけが尾側に細長く残存しています。
それにしても大きな卵をたくさん丸呑みにして、体がさぞかしHeavy(ヘビー)だったことでしょうね。
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