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輸血犬、秀君の大活躍

1月2日、世田谷区粕谷のミニュチュアシュナウザーのめいちゃんが、陰部からの出血がひどいとのことで来院しました。

紙おむつを外してみると中は血の海。尚も陰部からボタボタと出血し続けています。発情による出血ではありません。

2日前から出血し続けていたので既に貧血していて、また白目や腹部に紫斑が出て血小板が著しく減少していました。一刻も早く出血を止めないと失血死してしまいます。

出血をSTOPさせるためには、出血部位と思われる卵巣や子宮を手術で摘出しなければなりません。しかし、止血作用のある血小板が著しく減少しているのでひとたび体にメスを入れたら、そこからの出血が止まるかどうかわかりません。

血小板を増やさなければ!血小板減少の原因は?免疫介在性…?その他…?

免疫抑制剤を投与して血小板が増えるまで待つ日数的余裕は無し。それに子宮からは膿も排出されています。感染に免疫抑制剤は禁忌。このピンチを救うのは輸血以外にありません。

ここで、先月テレビ朝日の番組「くりーむしちゅーのハナタカ!優越館:日本人の2割しかしらないこと。動物病院にペットがいる目的はピンチの時に役立つからだった?!」にも出演した当院の輸血犬・秀君にひと肌ぬいでもらうことにしました。

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秀君の血液型はDEA1.1陰性なので、どの犬にも輸血が可能です。今回は時間的余裕がなかったのでクロスマッチテストは省略しました。

輸血をしながら、予め注射針で皮膚から出血させ、普通よりは時間がかかるものの、止血されることを数回確認してから手術を開始しました。開腹すると腹腔内も血の海。出血部位は右の卵巣でした。最初から最後まで止血を入念に行い

手術は無事終了し、翌日から食欲が回復し、6日後には出血斑もすっかり消失して、貧血と血小板数も改善したので退院しました。

三が日も、いつも通りに頑張って、命を救うことができて本当に良かったです。

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血を分けためいちゃんと秀君、喜びの飼い主の杉原様と院長。